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荒磯に月P-013

あらいそにつき

 

「 荒磯の岩に砕けて散る月を

     一つになして  帰る浪かな 」

 

江戸前期の水戸藩主、家康の十一男 頼房の三男

徳川光圀の詠んだ歌です。

打ち寄せる波に写った月が岩にぶつかり砕かれますが、

引いてゆく波にみるみる蘇ってゆく月の様子に自身の姿を重ねています。

名君の誉れが高い光圀の精神を垣間見る一句です。

 

この『月文字』の引手は桂離宮でも使われる斬新な意匠です。

お気に入りの一品ですので、縁も黒漆の呂色(塗った漆を磨いて艶を付けた最上仕上)

を奮発しました。

 

紋様:Y-1050 荒磯

原紙:越前手漉鳥の子色紙

摺色:群青キラ

 縁:桧半田地呂色黒艶消

引手:3-2 赤銅月文字

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