摺り色について 2
今回は摺り色のベースになる「胡粉」と「キラ(雲母)」についてです。
上の画像は胡粉です、原料は貝殻から作られています。からかみの摺り色には粒子の細かいものを使用しています。
こちらはキラです原料は雲母という鉱物から作られています。
唐紙の絵の具はこのどちらかをベースに作ります。
枝垂れ桜の柄に胡粉を使用しています。原紙にシルバーを刷毛引きすることにより、胡粉のマット感がより強調されています。
逆光から見ると明暗が反転し面白い表情が生まれます。
光琳枝桜の摺り色にはキラが使われています。こちらは先程と逆に胡粉を原紙に刷毛引きすることで、
質感の違いを出しています。
キラは、優しい光沢に特徴があり、月明りで見るのが最も美しいと言われています。
胡粉は粒子が細かくボリュームも有りますので柄の存在感を出したいときに使うと良いかもしれません。
キラは光沢が有りながら、優しいイメージを表現できます。
唐紙の摺り色を決める時に、どちらの顔料を選ぶかが大きな悩みであり、楽しみでもあります。