襖ができるまで 第五回
からかみのことを皆様に知っていただきたいとの思いから
唐紙とは切り離すことはできない「襖」が出来るまでを紹介しております。
5回目の今回は「泛張り(うけばり)」です。
泛張りは、上張りの張力によるねじれや反りを防ぐために、半紙や薄美濃紙など薄手の和紙の四辺だけに糊をつけて張ります。そうすることで上貼りを補強して安定させる裏打と同様の効果と剛体化を図り、上貼りの保存性を高め、湿度変化による伸縮も防ぎます。
二辺を喰い裂きにして行い、「袋張り」とも呼ばれます。
泛張りは名前の通り、「泛=浮」浮かすという意味があります。
上貼りと下地を離し、浮かせることで下地の粗を目立たせなくする
などの観賞上の目的で施します。蓑張りまでの工程では紙の表へ糊をつけて
作業を進めるのに対し、泛張りでは紙の裏に糊付けをして紙の表を見せることからも理解できます。
そして、今回の泛張りで下張りの工程は終了です!
今まで、ご紹介してきた下張りの各工程にはそれぞれ重要な目的がありました。
どの工程も省くことはできない大事な作業です!(地道な作業ですが…)
そのような工程を経て、皆様の知る襖へと出来上がっていきます。
ですので、今お使いの襖を末永く使っていただけると(張替えなどをしながら…)嬉しく思います。
次回より、上貼りです。完成まであともう少し!
どうぞお付き合いよろしくお願いいたします!!