重陽の節句
奇数は縁起の良い数として「陽数」と呼ばれ、9月9日は、陽数の中で最大の「9」が重なる日として、
「重陽(ちょうよう)の節句」と定められました。
重陽の節句は、平安時代に中国より伝わったそうです。
旧暦では菊の花が見頃であった事もあり、「菊の節句」とも呼ばれます。
古来より中国では、菊を薬草として使用しました。
また、他の花に比べ長期間咲く事や、花の香りが邪気を払うとされた事、
また700年もの間少年の姿のまま生きたと言われる「菊慈童」の伝説などから、菊は霊薬と信じられてきました。
重陽の節句には菊を観賞したり、菊花を漬け込んだ「菊酒」を飲み、延命長寿や無病息災を願いました。
元々宮中行事として貴族の間で催されましたが、江戸時代には庶民にも親しまれるものとなりました。
しかし現在、つまり新暦上での9月9日は、まだ菊が見頃ではありません。
五節句中で最も目立たないように感じるのも、それが影響しているのかと思います。
新暦を用いて生活する我々が、現代の重陽の節句にできることと言えば…
お酒に菊花を浮かべたり、菊花茶を嗜んだり、
まだ見ぬ美しい菊の花々に想いを馳せ、
見頃になるであろう約1か月後に期待を膨らませ、菊を愛でる心の準備をする事だと思います!
ここからは、弊社にて製作いたしました、「菊」にまつわる京からかみ作品をご紹介します。
愛らしいデザインを見て、菊の開花に期待を膨らませてまいりましょう!
< 菊唐草(Y-1131) >
花弁は「小菊散し(Y-1043)」の版木を、唐草部分は「秋唐草(Y-1033)」の版木を使用した合わせ柄です。
無限に発展し続ける永遠の生命を意味する「唐草」、延命長寿の象徴である「菊」、まさに重陽の節句にぴったりのテーマといえますね。
< 嵯峨菊(Y-1030) >
地紙に箔を押し、その上に型押しした「箔唐紙」のアートパネルです。
和洋どちらの空間にも合う落ち着いた色ですが、角度や照明の当たり具合により表情は様々です。
< 菱菊陰日向(Y-1024) >
シンプルで洗練されたデザインゆえに、配色によって印象が大きく異なります。
ご参考までに、是非デザイン一覧のカラーバリエーションもご覧ください。
< 光琳菊(Y-1107) >
少し柑橘に見えてしまうこちらの柄も、菊を表現しています。
柄名にもございますように、尾形光琳の描いた菊を文様として起こしたものです。
これを一目見て「光琳菊だ」と分かれば、通っぽいですよね!
様々な菊紋様を紹介させていただきましたが、他にもまだまだございます。
当サイト内[デザイン一覧]より、キーワード検索機能でお調べいただけますので、是非ご利用くださいませ!