襖ができるまで 第六回
からかみのことを皆様に知っていただきたいとの思いから
唐紙とは切り離すことはできない「襖」が出来るまでを紹介しております。
6回目の今回は「上張り(うわばり)」です。
上張りは、襖や屏風などの最も外側の表面を貼る工程のことです。
上張りの紙は中世では絹張が本式でしたが、
唐紙ができてからは、紙張りも広まっていきました。
現在に至っては、ビニール系素材を貼る襖も出てきました。
本張りは一枚張りの時には、台に合わせて寸法を測り、所要の大きさに裁断してその裏に
極めて薄くした糊を満遍なくひき、框の外側四縁に濃い糊を付ける。
この時引く、この糊加減が張り上がりと上張り紙の耐久性に大きく影響するため
糊の水分で十分に伸ばすことが大事です。
また、泛張りした下地と上張り紙とをムラなく完全に接着させることは
上張り工程の最重要ポイントです。それが上手く行かないと、表面に
「みみず」といわれる皺がよってしまいます。
そうして糊を引いた紙の表をもっていき、位置を定め撫刷毛(なでばけ)で皺のない様に撫でつけ、
左右上下を外側に強く引き締め、折り曲げて丁寧に張り付けていきます。
≪前回の泛張り≫↓↓↓
写真①(新柄)
写真②(Y-1034 三本松)
今回上張りにつかったものは、弊社の京からかみです。
三本松(Y-1034)、と新柄をそれぞれ押した紙を貼ってます。(写真①・②)
弊社のからかみは紙色や摺り色をお客様のお好みでお選びいただけますので
お客様のご要望にお応えした、一点物の襖をお作り致します。
そのように、さまざまな工程を経て作られている襖ですが、
色々な方々の手を通して出来上がっています。(表具屋さん・縁屋さん・塗師屋さん・紙屋さん etc…)
ですので、それぞれの分野が一つの襖を共作しています。そして皆、プロフェッショナルです。
そういう世界をまじまじと見ると、憧れと共にとても身が引き締まります。
次回は、縁打ちです。
完成まであと少しです!どうぞお付き合いください。
よろしくお願いいたします。